タイトル | 地底旅団ROVER元老院第167回CAVING | ||||||
サブタイトル | 開運招福!新春あな巡り in 奥武蔵石灰岩エリア | ||||||
分 類 | ファンケイビング | ||||||
入洞洞窟 | 間野のコーモリ穴(久道のコウモリ穴)、強清水鐘乳洞A洞(強清水の鐘乳洞A)、強清水鐘乳洞B洞(強清水の鐘乳洞B)、阿座穴(字穴) | ||||||
日 程 | 2006年1月15日(日) | ||||||
参加者 | 村野て、山崎、千葉、黒田、村上 以上5名 | ||||||
本年第1回目のファンケイビングとして企画された。ほぼ恒例の「第1回目はおきらく極楽活動」である。 埼玉県奥秩父には、ケイバーには言わずとも知れた石灰岩帯が広がっているが、秩父市東側にあたる通称:奥武蔵とよばれる地域にも小規模ながらも石灰岩帯が存在、これまた小規模な洞穴が点在しているのである。地R元としては初入洞となる洞穴も多く、外気温は低いがツナギの中の情熱は熱かった。 8:30、村野宅集合、出発。 9:00、JR飯能駅で山崎合流。車内で黒田いち押しのスイーツ「豆乳花」の回し食い開始。目たくれはお世辞にも褒められたものではないが、味は山梨名物「信玄餅」を彷彿させる奥深い黒蜜風味で美味だった。 9:30、林道正木入線に到着。「間野のコーモリ穴(久道のコウモリ穴)」は、林道沿いの沢の右岸より流入する4本目の沢に入り、左手の山斜面にあらわれる石灰岩体の基部に開口していた。地理的には埼玉県であるが、行政的には東京都であることをGPSで確認。 10:00、「間野のコーモリ穴」入洞。20m程度の小穴だが、ノッチが見られる。洞口付近は四つん這いで入るが、内部は天井が高く、立って歩くことができる。コキクガシラコウモリ6頭確認。最奥部にはイノシシ・グアノが大量に堆積し、モヤシが生えていた。上層に延びる支洞にカマドウマが身を寄せ合っている。言わばコロニーである。この支洞の洞壁は泥で覆われていて、二段梯子等を使用せずに取り付くのは困難なのであった。 11:00、現地出発。正丸駅方面に向かう。 11:30、飯能市南川地区に到着。ここには「眼鏡岩」「強清水鐘乳洞A洞・B洞」がある。 11:35、「眼鏡岩」見学。これは花桐(穴切→穴霧→穴喜里→阿奈喜里→花桐に変化)川の河床付近にある洞穴状に激しく溶食された石灰岩で、ボアパッセージの形態が確認できた。夜にでもならない限り暗闇など生まれず、これを定義上、穴と呼ぶべきか悩むところだ。 11:45、続いて「強清水鐘乳洞B洞」の地権者H沼宅に挨拶、入洞許可を頂く。「強清水」とはこの一帯の地区名であることを確認。「強清水鐘乳洞B洞」は地権者宅の裏山斜面にある比較的大きな石灰岩帯の基部に開口。洞口は大きいが、すぐに天井高が低くなっており匍匐前進となる。総延長は20m程度。この時期は洞内は乾燥していたが、地権者の話では時期によって水流が見られるらしい。 この洞穴は1979年に飯能市職員によってディギングされた記録が残っている。反転箇所にて集合写真を撮影。後日、千葉の調べで反転箇所の先に水流、または水流痕、ストローなどがあったことが分かった。口惜しい・・・。 また、民間伝承には「昔この穴へニワトリを追い込んだところ、翌朝、坂石町分法寺所有の吾野駅南西にある鍾乳洞(中に観世音が祀られており岩殿観音という)へ抜けた。従ってこの二つの鍾乳洞は連なっている」と残っていたことも分かった。この洞内では、何故かジャニーズ事務所社長の「ジャニさん」こと喜多川拡氏の「YOU、○○しちゃいなよ♪」という、口真似が流行する。「YOU、出洞しちゃいなよ♪」という具合である。村上、大喜び。 「強清水鐘乳洞A洞」は、「眼鏡岩」の対岸、高麗川沿いに開口。河床から+約8m。総延長は20m程度。全体的に天井高が低く、乾燥している。洞壁がのめこい。「のめこい」とは、土地の言葉で「つるりとした」という意味の形容詞らしいが、地権者が発した「のめこい岩」という謎の言葉がビジュアルに繋がった時、「これが「のめこい」かぁ〜!!」と一同、感動を覚えた。 12:30、現地出発。 13:00 顔振峠「平九郎茶屋」で昼食。うどん、揚げ餅、ゆずみそおでん、いのしし鍋を食す。いのしし鍋はニンニクが効いていて旨い。隠し味は、秘密だが「すりおろした林檎」だ。 14:00、顔振峠出発。 14:15、史跡「天文岩」到着。天文岩は非石灰岩だが、洞穴状の割れ目がある。林道権現堂線沿いに開口。総延長は10m程度。支洞1本。最奥に小祠あり。洞口沿いには鳥居もあり、信仰の対象であることがうかがえる。 14:30、林道権現堂支線終点に到着。「阿座穴(字穴)」に向かう。洞口に行く道がないため、急斜面を這いつくばって登る。かつて、この日のために単独2日間を費やし山狩りをした村野の苦労が偲ばれる。 15:00、「阿座穴」入洞。洞口にペンキで、大洞というペインティングが見られる。総延長は45m程度。二次生成物はほとんど見られないが、最奥部付近に−4m程度の段差がある。 15:30、出洞後、以前に村野哲雄が確認した「[仮]てつ尻穴(テツケツケツ)」という小穴に入洞。この洞穴は凝灰岩の隙間が崩落して拡大したもの。洞口は小さく、最初から−2m程度の段差となっている。段差をおりると、長径5m、短径1.5m程度の空間があって終わっている。奥には洞窟サンゴらしきものも見られる。確認者である村野 が最初に入洞したが、出洞時には外にいるメンバーが木の枝で洞口を塞ぎ、洞内拘束ごっこで楽しんだ。その後、山崎も入洞。 16:00、現地出発。鎌北湖を眺めながらの移動。 19:00 埼玉県民が誇る「レストランサイボク」にて、「どっちの料理でSHOW」でおなじみのゴールデンポークに舌鼓。豚ロース、バラ肉、レバー焼、焼そばをたらふく食す。もやしを見て、洞内に生えていたもやしを思い出し、箸が一瞬止まったが、大量で食べきれないほどの豚肉は美味で、一同ご満悦だった。 20:30、現地出発。 21:30、解散。 一日に小穴類を7つ巡った。何かご利益があるかもしれない。どれも規模は小さいものばかりだったが、それぞれ特徴的な穴で、非常に興味深く、充実度も高い活動だった。奥武蔵には測量が怪しい洞穴や未踏部分を持つ洞穴もあり、追加調査の可能性も秘めているエリアである。(文責 山崎宏之)
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