タイトル 地底旅団ROVER元老院第161回CAVING
サブタイトル 秋吉台洞穴巡検
分 類 合同・ファンケイビング
入洞洞穴 一本杉の穴、兼清穴、姫山の穴、秋芳洞、中尾洞、寺山の穴、大正洞、景清洞
日 程 2005年8月16日(火)〜22日(月)
参加者 鈴木、村野て、星野、石山慎弥(パイオニアケイビングクラブ)、土沼直亮(東京農業大学農友会探検部)、野口知子(立教大学探検部)、Timothy Stocks(無所属) 以上7名
幕営地:樫の森キャンプ場16日10:30、鈴木はJR新山口駅に新幹線で到着。東京から4時間、寝ている間に着いてしまった。その足で秋吉台科学博物館に向かい、入洞許可書を受け取る。
帰路、カルスト地形を見たが、平尾台の地形よりも丸みがあるように感じた。どちらにしても素晴らしい景色である。

16:00、JR於福駅にて野口@立大が合流。無人島帰りの野口は多少疲労の顔を覗かせながらも、飯はモリモリ食べる。この駅は無人駅で、21:00終電後は使いたい放題である。

22:00、翌日予定を確認しつつ、軽くお酒を飲んで就寝。東京とは違い、夜は乾燥していて寝苦しくない。


17日6:30、始発電車で目が覚める。地元の女子高生に怪しい目で見られるが、気にせず朝食を食べる。

8:00、「一本杉の穴」を目指して出発。学生はお金がないので徒歩移動。さすがに真夏の炎天下で長時間歩くのは疲れる。

10:00、「一本杉の穴」到着。田んぼのあぜ道から少しだけ山を登ると、竪穴が3つ出てくる。そのうちの1つが「一本杉の穴」の洞口である。

10:30、入洞。斜洞を10mほど降りて、狭洞を進むと大きなホールに出る。ホールの一番低いところには、昔の水流痕があり、それを頼りにさらに奥へ進むと、たこつぼホールに着く。ここは緩傾斜の斜洞なのだが、泥床でつるつるなため、ゴキブリのように這いつくばって登るしかないエグいところである。二次生成物はあまり見られないが、初秋吉の2人はひたすら泥にまみれてハイテンションになっていた。

11:30、最奥部と思われるところまできたのだが、微妙に測図と合わない。ここは単にとても天井高の低い場所なのではと思い挑戦するが、あまりの狭さに恐怖を覚えたので引き返した。

12:30、出洞。さすが真夏なだけあって、出洞したとたん眼鏡が曇る。

13:00、移動前にコンビニへ寄り、冷たいものを飲んでしばし休憩。

13:45、千葉様勅令「映画八つ墓村ロケ洞かどうか確認してこい」である「兼清洞」到着。洞口写真撮影後にさっそく入洞。「一本杉の穴」からは徒歩で10分くらいで、用水路の脇に開口しているためとてもわかりやすい。

14:00、あまり見どころが無い横穴なのだが、水流痕などは顕著に表れていて、地味ながら楽しめる穴である。最奥部までは腰を屈める必要も無く、簡単に行くことができる。

15:00、出洞。用水路で装備を洗って、科博に活動終了報告をして、再びJR於福駅に戻る。

18:00、洞穴よりもアプローチで疲れてしまい、2人ともクタクタの為、躊躇わずに道の駅の温泉に直行。終電後に駅で夕食を作る。遠くで花火の音がして、見れない悔しさをコンビニの花火で紛らわした。

22:30、簡単なブリーフィング後に就寝。


18日6:00、始発電車に乗ってきた土沼@農大と合流し、簡単に朝食を作って食べる。

8:00、「姫山の穴」までは相当距離を歩くため、早めの出発。車が欲しい・・・。

11:00、「姫山の穴」がある山まで到着したが、道路から穴へのアプローチ道が分からない。地元の人に聞くと、よく学生が入っていく道があるとのこと。おそらくそこであろうと突き進んでいくと大きな洞口が出てきた。

12:00、入洞。洞口がとても大きくて驚いたが、中はさらに広い。とりあえず3人とも最奥部を目指して進むが、落差8〜10mの下層が顔を出すため、注意して歩く。奥の方は狭い通路が何本もあり、さらに上下にも分かれていて、測図を読んでもいまいち自分の位置がはっきりしない。土沼は綺麗な石を見つけては一人興奮していた。

13:30、チムニーで下層へ降りる場所があったのだが、鈴木以外の2人はチムニーに自信が無く断念。鈴木だけどんどん下層へ降りていく。本来ならプールがあるとこまで行きたいのだが、何かかあったらまずいので引き返す。

14:00、測図に書かれていた支洞をいくつか詰めた後に出洞。洞口付近には学生の卒論調査機器が置かれていた。洞穴で卒論なんて羨ましい・・・。

16:00、ヒッチハイクで帰ろうと意気込んでいた野口・土沼だったのだが、周りが暗くなってきて、歩いて帰ることを選択。疲れを紛らわすため、野口の関西弁講座を聞きながら帰る。

18:30、入泉後、夕食を食べて3人で飲む。3人ともうとうとしかけた時に警察が駅に来て、職務質問。終電を逃したという意味不明のいいわけで事なきを得た。

22:00、就寝。


19日6:30、起床。朝食を食べて、秋吉台方面の集落までバスで移動。

9:00、バス停近くの消防団の建物に荷物を置いて、アプローチ開始。

11:00、地形図では「姥ヶ穴」へ続く道はあるはずなのだが、どう考えても無い。最終的には梨畑の反対側に道があるのではと考え、梨畑を強行突破。ここで3人を待ち受けていたのは、鳥除けの鉄砲である。3人の目の前で爆発した
為、あまりの音と衝撃でふっ飛んだ。しばらく3人とも動けなかったが、とりあえず梨畑を過ぎると道は無し。

13:00、これから穴までのアプローチと洞内での活動時間を考えて、タイムアップ。早めに「秋芳洞」へ向かうことにした。

17:00、夕立に降られながら樫の森キャンプ場にテントを設営。早めの夕食を済ませて、秋芳洞周辺のお土産屋さんを見学。しかし、19:00頃では開いてるお店も無く、途中で会った秋芳洞チケット売場職員と話をしてテントへ戻った。

21:00、就寝。


20日7:00、後発隊(村野・星野・石山・ティム)は秋吉台到着。先発隊へ電話連絡するがつながらない。2回目にして電話に出たため、テント破壊は回避された。挨拶や今までの活動について話をしながら朝食。その後、入洞準備。

8:30、「秋芳洞」の観光洞部へ入洞開始。村野だけは非観光洞部に入らないため、普段着のまま入洞。そのためかちょっと離れたところから他人のフリをして楽しんでいた。

9:00、エレベーター付近へ到着。ここから村野と別れ、観光客の目が痛いと思いつつ残りメンバー(鈴木・星野・ティム・石山・土沼・野口)は柵を越えて非観光洞部へ。2回ほど道に迷いながら鈴木を先頭に進む。

10:00、琴が淵へ到着。大きなプールだったが寒さのためか誰も入りたがらない。ここはやっぱり学生が・・・ということで、鈴木・土沼の2人が泳がされる。女の子はか弱いので入らず、ティムも入りたくないらしい。
しかし、それを見た石山君のダイバー魂に火が付いたのか、楽しそうに琴が淵へ吸い込まれて行ったが、しばらくするとちょっと様子が。なんと、泳いでいるうちに長靴が脱げてしまったらしい。脱げた地点が深い場所だったため、目で確認出来ず、手も足も届かない(泣)。石山君ももぐりつつ探すがなかなか見付からない。諦めムードが出てきたなか、壁に張り付きつつ土沼が捜索に再度チャレンジ。とうとう長靴を発見!みんなが喜び、水からあがって安心したと思いきやなぜかまた石山君が水の中へ。なんと、両足の長靴が脱げていたらしい。ほっとしたのは束の間、また捜索へ。今度は石山君が壁に張り付きつつ・・・発見!左右の長靴がそろったことをみんなで確認し、ここで本当に一息付く。

10:30、寒さに耐え切れず琴が淵から出発。なぜか帰り道でも迷う・・・。

11:00、やはり帰りも団体客に質問されながら出洞。みなさん、ガイドさんの話より私達の格好が気になるらしい(笑)。

11:30、テント設営等を行っていた村野と合流。「中尾洞」へ向けて出発。

13:00、のんびりと太陽のありがたさを感じながら昼食を食べ、アプローチ開始。でも何だか雲行きが怪しくなり雨も降りそうな感じである。

13:30、入洞開始。入洞するととにかく泥!泥!泥!どこを歩いても手をついても泥だらけである。歩くと足も埋まっていく。泥に足をとられ、進むことも一苦労しつつ泥を楽しむように先へ進む。途中で小さな支洞を発見。測図を見ても書いていない。
鈴木は「俺が通れないなら誰も通れない穴なんだ」と豪語して先へ進むが、どうしても星野はそれが納得出来ない。引き返して来た後、鈴木・土沼が挑戦するがなかなか進まない。そんな中、星野は通れたら新洞発見か?名前は何にする?と邪まな考えから、「じゃあ、私が入ってみる!」と果敢に突入。突入に時間は掛かったもののなんと、突入成功。貫通していたため逆からも入ることが出来た。貫通出来た自分に感動しつつ、余韻に浸っていた。
しかし、出てみると汚れ具合のひどさにびっくり。村野と比べると雲泥の差とはこういうことかと納得出来るほどだった。その後、中の洞エリアで多くの支洞があったので撤退時間まで思う存分、遊ぶことにした。

16:15、出洞。出てみると外は小雨。橋に干しておいたシャツは乾くどころかびしょぬれになる。川で装備洗いし夕飯の買い出しへ。

18:00、景清洞トロン温泉へ。今日のお湯はぬるい。

19:30、早速、夕食作りへとなるところだったが雨が降っていたため、ブルーシートを張り場所を確保する。

22:00、今日のテーマは「沖縄」。メニューは豆腐チャンプルー・タコライス・もずくスープ。在京:千葉様への電話連絡をするが、22:00以降に食べると太るだけと言われドキっとする。更にご飯は7人だったので米を7合炊いてしまったため、多すぎでお腹がはちきれそうになる。明日は少なめに炊こう。

25:00、順に就寝。
秋芳洞・洞口 秋芳洞・琴が淵 中尾洞
秋芳洞主洞口から入洞開始 琴ヶ淵での水泳大会 中尾洞ではみな全身泥だらけ・・・

21日6:30、本日の天気はあいにくの雨。湯沸かし隊の学生と食当が起床。

7:00、全員起床。

8:00、朝から優雅に「日本の朝食」と題して焼鮭・玉子焼き・ご飯・味噌汁を堪能する。

8:45、「寺山の穴」へ行くため移動開始。15分ほどで駐車ポイントへ到着。

9:30、アプローチ開始。山を見ると、何箇所かピンク色のテープが貼ってある。洞口までの目印だと思い、たどりながら登るがなかなか見付からない。地図を見直すが地図の位置と実際の洞口の位置が違っているようだ。1時間以上経過しても見つからない。予想した場所よりも手前を探すことに。鈴木・土沼の2名で捜索する。

11:30、鈴木が洞口発見。

11:45、鈴木・村野が第4主洞にラダーセッティングしている間、他メンバーは第1主洞でひたすら例の焦げ痕を探す。雨に濡れたせいか寒さに耐え切れず、一旦出洞して洞口から離れたところで体を温める。

12:30、ラダーセッティング班が出洞。全員で昼食。

13:00、第4主洞へ入洞開始。ラダー初心者・安全確保のため、ティム・石山・土沼・野口はハーネスを装着。初ラダーもいるため緊張した空気が張り詰める中、順番にラダーを降りる。降りるとみんな笑顔で話し始める。全員が降り、ハーネスを外してから奥へ進む。洞床はここも昨日に引き続き泥。滑り落ちそうなのを堪えつつ進む。奥に進むとそこには楽しそうな滑り台を発見。ここが少し前に「鉄腕DASH!」で使った滑り台なのか?と話しつつ、子供に戻ったかのようにみんなで叫びながら滑り始める。やっぱり洞内滑り台は楽しい。滑り台を堪能し出洞。
次に第1主洞から第2主洞へのルートを捜索。第2主洞がありそうな通路は滑る泥。それなのに目の前は上り坂。勢いをつけて坂を登るが、うまく登れなかったりする。これもファンケイビングと思えば楽しい。しかし、奥まで行ってもルートは見つからない。測図を見ながら全員で手分けして探すことに。鈴木・星野がちょっと怪しいところを見付けるが、かなり狭く、「これじゃないな」の一言で次に進む。そこに村野が同じ場所を発見。「ここだよ」の一言。バツの悪い2人を置いて先へ進む。
第2主洞から第3主洞へと向かって進むが、クラックやオーバーハングした壁などがありそれぞれの通過に時間がかかってしまった。

16:00、出洞時刻が迫ってきたため第3主洞へは到着出来ず。第2主洞で引き返すことにした。

17:00、出洞。装備・ロープを洗い撤収。

18:15、道の駅おふくで入泉。今日のお湯もぬるい。雨だったので寒く感じた。

19:00、夕食の買出しをし再び雨のため、ブルーシートで調理場を確保。昨日よりも激しい雨にみまわれる。本日の夕食テーマは「ハワイ」。メニューはロコモコ丼・キャベツのスープ・サラダ。雨が酷かったのでテント内で食べることに。米を炊いた学生は昨日の量を反省し忘れたのか、相変わらず7合近く炊いていた。みんな苦しみながらどうにかお腹に詰める。本当に苦しかった・・・。

24:00、就寝。
寺山の穴付近 寺山の穴・第4斜洞 寺山の穴・・第1〜2主洞
寺山の穴アプローチ 第4主洞での楽しい洞内滑り台 第1主洞との連結部

22日7:30、起床。最終日は太陽が見える、すがすがしい朝だった。洗い残した食器を洗いつつ朝食の準備・荷物の片付け・テント撤収を手分けして進める。

8:30、天気は良かったのだが、昨晩の雨で外では食べられずにテント内で朝食。自分たちで好きな具を挟むサンドイッチだったため、残った食パンで鈴木は帰り道の食料も確保。

9:30、電車で帰る鈴木・野口さんがキャンプ場を出発。

10:30、車チームがキャンプ場を出発。まず「景清洞」へ。"長門の七不思議"の生目八幡や生目の滝を見ながら奥へ進む。途中から最奥部へは探検コースになっており、装備がないと入れない。本日は一般観光客なのでここで引き返す。最後まで進んだが七不思議は1つしかなかった。何が七不思議なのだろうか?
次は「大正洞」へ。マグシーバーという解説が流れるものを聞きながら奥へ。観光客が全然いない5層になっている石灰洞を楽しみながら進む。昔は牛(宝物)を隠したらしい。
観光洞を堪能したあと、秋吉台のカルスト台地・ドリーネを見ながら帰路へ。

14:00、小郡ICから帰路へ。帰り道では突然の豪雨にあい、予定よりも時間が掛かった。

25:00、帰京・解散。


初秋吉台だった者が多かった今回のファンケイビング。それぞれが有名な「秋吉台」はこういうところだ!と楽しめ、ティムとの異文化交流も深めることが出来て充実した活動だった。秋吉台にはまだまだ多くの穴が存在しているので、次回も楽しく"横穴"ファンケイビングを楽しみたいと思う(千葉様は竪穴限定弾丸ツアーを画策しているらしい/泣)。(文責 鈴木達朗・星野亜沙子)

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