タイトル | 地底旅団ROVER元老院第152回CAVING | ||||||||||||
サブタイトル | 安家は悪貨を備蓄した in 岩泉町安家地区 | ||||||||||||
分 類 | 合同・ファンケイビング | ||||||||||||
入洞洞窟 | 氷渡洞−坪沢穴(氷渡ケイブシステム、氷渡探検洞、氷渡洞−坪沢の穴、氷渡の穴、バクチ穴)、相良八郎の穴(相良向かいの穴−八郎沢の風穴) | ||||||||||||
日 程 | 2005年4月30日(土)〜5月2日(月) | ||||||||||||
参加者 | 千葉、山崎、細野、黒田、星野、戸田聡(亀戸ケイビングクラブ)、吉本亜裕美(京都大学探検部)、イセーンコ・イエフゲーニ=通称:ゼニャ、渡慶次元、長谷川航、吉原啓太、橋本夕貴(以上、北海道大学探検部)、村上桃子、西川祥恵(以上、ガールスカウト東京28団) 以上14名 | ||||||||||||
2000年以来、GW恒例参加となっている「内間木洞調査委員会プロジェクト」。今年は3〜5日ということなので、前のりして近接する安家地区でのファンケイビングを行うことにした。 30日22:30、帝都組(千葉・細野・黒田・星野・戸田・吉本・村上・西川)集合。山崎が集合時間を誤認したため、散々罵倒されたうえ1時間遅れで出発する。 1日8:30、安家支所で手続を済ませ、氷渡探検洞研修施設に挨拶。千葉は職員との情報交換を行う。 入洞準備をしていると、露西亜人ケイバー:ゼニャが到着。千葉のセンターマイヨンと北方領土の物々交換の申し出にゼニャたじたじ(笑)。 9:30、2班体制にて活動を開始する。 【横穴班】 9:30、横穴班(千葉・黒田・星野・吉本・西川)は観光洞口へ向かう。千葉・黒田は以前に入洞したことがあり、今回は初心者の3名を案内するかたちになった。 睡眠不足(というか寝ていない)が祟ってか、黒田・星野は異様にテンションが高い・・・。今回の入洞目的の一つであるテングコウモリを探しながら、「立命風洞」を通過。そして右洞と左洞の分岐に出る。雪解け水の影響からか、水量が多いような気がする。右洞へも行ってみたいところだが、入洞禁止区域以前に水が腰上まできてしまうため、喜んで断念した。いつもならスイスイ泳ぐところだが、今回は「チームおんなのこ」ということで(約1名♂)、入洞前から「水は股下まで!」と決まりごとを作っていたのであった。というわけで、お決まりコースの左洞へ。 しばらく進むと、洞床から+4m地点にテングコウモリを発見!4頭、3頭、1頭の合計8頭を確認した。みんなで「印税、印税〜♪」と言いながら、気温測定を行い記録撮影。 股下ぎりぎりの水量をなんとかクリアしつつ「幻の滝」へ辿り着いた。この時期「幻の滝」とは名ばかりで、その豊富な水は轟々音をたてながら流れ落ちていた・・・(泣)。 アップダウンを繰り返し進んでいくと、二次生成物の発達が目立って顕著な空間に出る。立派な石筍をバックに、ストロボをたいて記念撮影。さらに進むと、方解石の結晶がキラキラ輝いているのが見えてきた。「きらめく星座」である。初めて入洞した3名は、しばしうっとり・・・。目を細めて見ると、本当に夜空に輝く星座みたい!さすがチームおんなのこ、こういう時の反応がロマンチックで素敵です。ヤローばっかりじゃ、そうはいきませんからね。 「きらめく星座」を過ぎて淡々と進んでいくと、一般ケイバーにとっては最奥である「龍堰の湖」に出る。しかし水量が多く、かなりの手前から湖状態・・・。「水は股下」という決まりを守り、ここで引き返すことにする。 帰路の途中、坪沢穴との接続ポイントで昼食。ロープを垂らしておくという約束であったが、無線レスもない。失念して「大仏殿」見学を先に行っているのであろう。そこで女子大生の恋愛事情に華を咲かせ、千葉はおっさんモード全開で喜んでいた。 13:30、待てども竪穴班が降りてこないため出洞した。 14:00、千葉・黒田は洞口確認作業へ向かう。本活動タイトルでもある「銭吹き穴」は未確認に終わったが、「相良向かいの穴」はわけなく確認することができた。 【竪穴班】 9:30、竪穴班(細野・山崎・戸田・ゼニャ)は「坪沢穴」洞口へ向かう。 10:00、有刺鉄線つきのフェンスに囲まれた洞口に到着。細野がリギングを開始。立ち木にテンションレス・ヒッチにて固定、ケーブル用鉄骨梁を使い、リビレイを行う。 11:00、細野入洞。第一ピッチは−35m。戸田さん、ゼニャ、山崎は、洞口で雑談。そんな中、山崎は初めての竪穴、SRTに緊張し続けた。細野に続き、戸田さん入洞。 12:30、山崎入洞。初竪穴だったが、意外に恐怖感はなく、ついに高所恐怖症克服かと、にやつく。続いて、ゼニャ入洞。 13:00、洞口より−35m地点の洞床到着。測図をもとに「大仏殿」を目指す。約8m段差のある洞壁をトラバース。 13:30、「大仏殿」着。見事な石柱がお出迎え。しかし、果たしてどの辺が「大仏殿」なのだろうかという疑問の声もちらほら。地底de昼食。 14:00、氷渡洞との連結部である第2ピッチより−25mを降下。連結部で、細野が無線による横穴班との連絡を試みるが、応答なし。やはり合流は無理か・・・。最奥の「龍堰の湖」を目指し、異様に多い水量とジャブジャブ戯れながら、アップダウンを繰り返す。「きらめく星座」には、チームおとこのこも地味に感動。さらに、奥に進むと、「鳴龍の瀧」まで行かずに、ほぼ水没状態。プールのようになっていた。戸田さんの指令により、山崎は平泳ぎで進むが、水温の冷たさにクロールで早々に戻る。 15:30、戸田・ゼニャは、観光洞部の洞口を目指す。細野・山崎は、第2ピッチを昇りロープ撤収へ向かう。 17:00、山崎が第1ピッチを昇ると、リビレイ地点のプロテクターがはずれており、ロープが"きしめん状態"になって"ケバケバ"していた。あわててチェンジオーバーし、細野に報告をする。そこへゼニャ・西川が様子を見に来たため、レスキュー要請をする。 17:30、宿舎にレスキュー要請が届く。「あそこは例えプロテクターがはずれたとしても絶対ありえないよな」と、猜疑心の塊状態で千葉・戸田・黒田・ゼニャがレスキューへ向かう。別ロープを垂らしてもらい出洞。そこには何故か、報道陣の如くカメラを向ける人々が洞口にいた。後続の細野が問題のロープを確認したところ、ロープにチョークが付着していただけと判明。山崎の誤認であった。洞内外からの叱責を受ける。 18:00、出洞。 19:30、夕食準備後、「べっぴんの湯」にて入湯。お目当てにしていた牛串の素「べっぴん牛」が絶滅したという、衝撃の事実が知らされる。そんなことあり得るのか・・・。 20:30、北海道大探検部(渡慶・長谷川・吉原・橋本)合流。米10合に対し10リットルの水で1時間以上炊き込んだ米飯?をタコライスにして夕食。 23:00、ブリーフィングをして、力尽きた者から消灯。
2日7:00、起床。 8:30、朝食、撤収、氷渡探検洞研修施設挨拶後に宿舎出発。安家支所に挨拶後、「相良八郎の穴」へ向かう。 9:00、年々口橋に到着。2班体制にて活動を開始する。 【八郎沢の風穴班】 9:30、「八郎沢の風穴」先行班(千葉・黒田・山崎・吉本・渡慶・橋本・村上)は、枯れ沢を10分程登ったところに−6.5mの竪穴洞口を確認。 ロープセットをし、千葉は山崎以外を次々と洞内へ落とす。怖がる村上さんを「各駅停車」と称して、3回にわたり空中停止しながら喜ぶ千葉。黒田は「通勤快速」を希望したため、2秒足らずで洞床まで到着(笑)。 洞口からしばらく進むと、泥坂のあるホールに到着。泥の厚みとホールドの少なさに一同苦戦。山崎は20回滑落。泣きそうになりながら、30分近くかけて登る。 「相良向かいの穴」との連結部である水流を目指す。泥坂のホールから30mほど進むと、小さなプールがいくつか現れる。さらにプールの上部へ続く支洞を進むと、左右に分かれ、いずれも15m程の落差をおいてルートが続いているが、フリーでは危険と判断。少し戻った場所で昼食。郷土食みそパンを食す。 千葉の記憶が戻らず、時間的にも厳しいので出洞することにする。恐らく、途中で見たプールの先に、水没したルートがあったのではないかと思う。残念・・・。 「相良向かいの穴」先行班と遭遇。なんでも、「相良向かいの穴」もルート水没とのこと。この時期、雪解けの水がやはり多い。 山崎・吉本さんは岩場を、残りのメンバーは泥の滑り台を降りる。 その先、洞口付近の+2m段差で村上さん苦戦。山崎が肩で押し上げるが登ることが出来ない。ラダーセットのために一足先に出洞していた千葉を呼び戻し、上からも引き上げる形で無事通過。 出洞はZリグでのホーリング、ラダー、SRTと各自思い思いの方法をとった。 【相良向かいの穴班】 9:30、「相良向かいの穴」先行班(細野・星野・ゼニャ・戸田・長谷川・吉原・西川)は、千葉の指示通り斜面を登るが、洞口が分からないので横に散開して探す。洞口を戸田さん・北大が発見。 10:00、入洞。見慣れない測図を見ながら星野を先頭に進むが、100mほど進んだところで2つあるはずの通路がどちらも水没。北大に泳いで様子を見に行くよう指示するが、思いのほか水が冷たく断念。これが最後の穴だったらゼニャは行ってもいいと言っていた。その先に進むことが出来そうもないので断念して出洞。斜面を降り、橋でまた一休み。 11:00、「八郎沢の風穴」へ向かう。 11:30、細野・ゼニャ・戸田さんはSRTで洞内へ。それ以外はハーネスを付けて降ろしてもらう。ここでも見慣れない測図とコンパスと戦いながら星野を先頭に先へ進む。やっとコンパスに慣れたのか、どうにか迷わずに進むことが出来る。広い空間「弥生広場」に出たので大量の昼食を取ることに。 昼食後、先へ進むため泥坂か岩登りかの選択。星野が泥坂に挑むが失敗。ゼニャは一度で問題なくスイスイと登る。結局、ゼニャ・西川さん以外は岩壁から登ることに。滑落のリスクも考え、西川さんは泥側から登るよう指示。しかし、うまく登れない。その間に星野が様子見をするため進むと「八郎沢の風穴」先行班と合流。「相良向かいの穴」の様子を報告。 西川さんが泥坂を登る間、ゼニャ・戸田さん・長谷川くん・吉原くんは時間がなかったので先に進んでもらう。千葉・黒田・細野・星野のフォローを受けながら西川さんは泥坂を登る。 何とか登ることが出来たので、先に進んだ班と合流。「八郎沢の風穴」先行班が進んだのと同じところまで行った。ゼニャはまだまだ先に進めるということだったが、時間の関係もあり出洞へ。 泥の滑り台を堪能し、冷え切った身体を震わせている黒田と合流。 15:00、全員出洞。 16:30、「べっぴんの湯」へ向けて、いそいそと出発、入湯。 千葉が出店の岩魚塩焼きを買占め、学生中心にその恩恵にあずかる。 19:00、地主に挨拶後、内間木洞ビジターセンターへ到着。 21:00、夕食。その後はやはり力尽きた者から就寝。星野・山崎は、宿舎内で測量練習に勤しんだ。 24:00、千葉・黒田は合流した菊地さんと酒を酌み交わして消灯。 ※以降、内間木洞調査委員会活動へ移行。
今回は初心者も多かったが、皆、ファンケイビングという目的は達成できたのではないだろうか。ファンケイビングにはもってこいのフィールドだったと思う。時期的に仕方がないのかも知れないが、ルートの先々が水没で終わっているのは残念だった。 次回、この地区を訪れる時には、今回未確認に終わった「銭吹き穴」などにも入洞したい。(文責 山崎宏之・黒田さち子・星野亜沙子) |
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