タイトル | 地底旅団ROVER元老院第148回CAVING | ||||||
サブタイトル | 奥多野かんな姫計劃・第9次神流町叶山麓洞穴調査 | ||||||
分 類 | 調査ケイビング | ||||||
入洞洞窟 | 天狗岩第1洞、天狗岩第2洞、天狗岩第3洞、天狗岩第4洞、天狗岩第5洞、中岩第1洞、中岩第2洞、白水の滝洞窟 | ||||||
日 程 | 2005年3月19日(土)〜21(日) | ||||||
参加者 | 千葉、村野て、黒田、名真大気(早稲田大学探検部) 以上4名 | ||||||
「奥多野かんな姫計劃」の一環として企画された。 2000年から発動した奥多野地域洞穴調査「奥多野かんな姫計劃」は、2005年1月の「立処西尾根の蝦蟇穴」測量をもって第1章立処山を終えることができた。本調査より第2章神流町を開始。鬼石町地区、旧万場町地区、叶山麓、持倉地区などの地域における調査となる。 今回は叶山北麓の「白水の滝洞窟」測量、天狗岩〜中岩における新洞探査、神流町教育委員会局長:高橋静雄氏訪問を目的として企画された。 19日23:00、地主宅「木古里山荘」に到着。地主:高橋隆さん、地主娘:真奈美さん、東京在住:藤原夫妻らとともに、新潟産生酒「かめぐち酒」(さらりとして飲みやすい!)を頂きながら懇親の時間を持つ。 26:00(2:00)、消灯。 20日7:00、起床。 9:00、活動開始。千葉愛機サファリに乗り込みヤノタワ林道に入るも、途中で残雪が深く車両放棄。林道終点まで歩く道筋は一面杉の植林となっており、この時期は全山花ざかりである。あたかも紅葉しているかのよう。それにしても花といったって桜などと違い、ただの茶色の粒であってまったく品位というものが感じられない。それで粉しか出てこないのだからロクな代物ではない。 千葉は杉に石を投げつけて花粉を撒き散らし、大喜びしていたが、村野・黒田・名真君(以後花粉症トリオという)をはじめとした花粉症に苦しむ善良な市民には迷惑行為である。条例で取り締まるべきであろう。 10:00、林道終点到着。終点は天狗岩の西端となっており、ここから2班体制で山狩りを行う。 千葉・黒田は天狗岩の南面、村野・名真君は北面を探索する。2時間ほどかけて探索を行い、小規模な洞穴を5本見つけた。「天狗岩第1洞」〜「天狗岩第5洞」と命名。「天狗岩第1洞」は牢口の小型版のような石灰岩の割れ目を進んだ最奥に開口している。その他の洞穴はいずれも人ひとりが辛うじて入れる程度のものであった。 12:00、全員合流し、中岩南面の探索を行った。成果は2本の新洞発見。それぞれ「中岩第1洞」「中岩第2洞」と命名した。「中岩第1洞」に入洞するには、脆い岩壁を数メートルチムニーしなければならず、ちょいと勇気のいる洞穴である。「中岩第2洞」の方は、奥行き3メートルほどの匍匐で入る小穴だが、小さな石柱が確認できた。 14:00、中岩東側の尾根に到達したところで、花粉症トリオがついに涙と鼻水でぐしゃぐしゃに溶けてしまって使い物にならなくなり、下山することにした。思い直せばこの時期に山狩りするなど、敵の陣地に丸腰で乗り込むようなものであった。車両に戻ると愛しの「ボックスティッシュ」が我らを温かく出迎えてくれた!3人の思う存分鼻をかむ音が山々にこだまするのであった。 15:00、やっとこさ「木古里」に戻り、遅い昼食。 16:00、上野村にて夕食買出し。 17:00、神流町教育委員会局長:高橋静雄さん宅を訪問。大勢で押しかけたことに少し驚かれたようだが、笑顔で迎えてくださった。 先日、村野が神流町役場で「中里村郷土誌」に記載された「立処鍾乳洞」に関する記事について面談させていただいたお礼を述べ、その後の調査結果について報告。再び「立処鍾乳洞」談義に花が咲いた。 19:00、「木古里」にて奥多野産猪豚肉を使っての自炊夕食。猪豚焼肉、猪豚ホルモン焼、猪豚汁、十石味噌ドレッシングサラダを作り、奥多野食を堪能した。 20:00、千葉が明日から仕事のため慌しく離脱。その直後に真奈美さんが山盛りのナポリタンを差し入れしてくださった。あまりの量の膨大さに一同唖然。すでに満腹状態となっていたため翌朝食にまわすことにした。 21:00、消灯。 21日6:30、起床。昨夜の猪豚料理の残りとナポリタンで朝食。 9:00、活動開始。「白水の滝洞窟」に向かう。晴天だが朝から強風が吹き荒れ、心なしか空が黄ばんで見える。今日の最重要アイテムは昨日に続き「ボックスティッシュ」。10分ほどで「白水の滝洞窟」の入口に到着する。まずは地上測量から開始。体制はコンパス名真・メジャー黒田。叶山鉱山のトンネル正面を基点に基線を張る。 10:00、「白水の滝洞窟」洞内測量開始。体制はスケッチ村野・コンパス名真・メジャー黒田。 「白水の滝洞窟」は、「白水の滝」の落ち口に開口している。滝の水源となっており、落ち口となる第1洞口から最上部の第5洞口まで、5つの洞口を開けながら直線的に上に延びる半竪穴状の斜洞である。岩壁のすぐ内側に上下に発達し、洞口が5つもあるため洞壁は著しく乾燥しており脆い。 洞内は人がすれ違えるような広い部分がほとんどないので、3人でモソモソ、ゴソゴソと測量した。今回、GLコンパス初挑戦となる名真君も健闘していた。 最下部は水没しており、水深は結構深そうである。滝の豊富な水量から、水没部分の先はまだ奥がかなり続いているのだろう。キクガシラコウモリが1頭いた。 14:00、出洞。 15:00、木古里に戻り、遅い昼食。おいしいロールケーキを頂いた。 16:30、「木古里」出発。 18:30、解散となった。 「白水の滝洞窟」は総延長26.2m、高低差11.7mとなった。天狗岩と中岩の洞穴群は、花粉撲滅後に地上測量と併せて測量したい。(文責 村野哲雄)
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