タイトル 地底旅団ROVER元老院第116回CAVING
サブタイトル 奥多野かんな姫計劃・第14次神流町立処山洞穴調査
奥多野かんな姫計劃・第4次神流町叶山麓洞穴調査
分 類 調査ケイビング
入洞洞窟 仏穴第1洞、立処西尾根の珊瑚穴
日 程 2003年12月6日(土)〜7日(日)
参加者 千葉、細野、宮野原、鈴木達朗(東京農業大学探険部) 以上4名
古鉄橋「奥多野かんな姫計劃」の一環として企画された。
立処山は1980年に「明治大学地底研究部」によって洞穴探査及び測量がなされているが、地主の話によると未報告の洞穴が多数あるようなので洞穴探査・測量を行うことにした。
今回は「仏穴第1洞」測量、「立処西尾根の珊瑚穴」補足スケッチ、立処山南面の新洞探査を目的として企画された。


6日22:30、現地到着、挨拶後に軽く飲みながらブリーフィングを行ってから消灯する。
7日6:30、起床。強風が吹き荒れているものの、思ったよりも寒くない。活動日和である。

9:00、活動開始する。

細野は単独で立処山登頂開始、「立処西尾根の珊瑚穴」補足スケッチへ向かう。
その後、GPSを使いながら立処山西尾根と南面の新洞探査を行う。西尾根ではノコギリ状のカーテンがある5m程の小穴を確認するものの、かつてパイオニアケイビングクラブが確認したという「立処山南腹の穴」は見つけることが出来なかった。
「目玉穴」まで降りてきた時点で測量班と無線交信、千葉の指示で立処山北西面の岩壁へ向かうが、ここでも新洞発見には至らなかった。

12:30、下山、仏岩対岸で再び測量班と無線交信したあと、一人寂しく昼食をとる。
時間調整後、昔、コウモリを取って遊んだという洞穴へと地主に案内してもらう。しかし、確認してみると、洞穴というよりは崩落石灰岩が沢に覆い被さり、空間を有していたというものであった。測量すべきか否か微妙なところである。

16:00、再び仏岩対岸へ向かい測量班と無線交信、千葉の指示で陽があるうちにヤノタワ林道の露頭確認へ向かう。かぶり岩(軍艦岩)が間近に見えるものの、林道からは洞口確認はできなかった。再度確認が必要である。

16:30、測量班に合流。
(仮)立処西尾根の鋸穴 (仮)立処西尾根の鋸穴 (仮)コウモリ穴
今回確認した新洞 ノコギリ状のカーテン コウモリを取ったという穴

測量班(千葉・宮野原・鈴木)は仏岩へ向かう。
仏岩とは間物沢川に面した石灰岩露頭で、髑髏のように洞穴が開口していることからそう呼ばれているらしい。これらの洞穴は「仏穴第1〜4洞」であり、2002年7月「姫プロ・第1次中里村叶山麓洞穴調査」として東海大学探検会により測量調査されている。しかし、この時は+5m地点に開口している「仏穴第1洞」へは取り付くことができず、今回まで見送られていた。

9:30、「仏穴第3洞」にて竪穴装備を装着、登攀、リギング、測量準備を整える。鈴木達朗君はまだSRT初心者であるため、装備装着を一から確認する。

10:00、千葉は人工登攀を開始する。岩壁には1980年に明治大学地底研究部が打ったリングハンガーが残置してあり、強度確認後、これらを使うことにする。かなり細かく打ってあるので登りやすい。洞口まであと0.3m地点まで来たところ、ここでハンガーは終わっていた。どうやらあとはフリーで登ったらしい。安全的に無理があると考え、ハンマードリルを使ってアンカー2発を打ち増し、無事洞内に到着する。洞奧にはリングハンガー2本が残置してあったため、バックアップアンカーを打ち、リギングを完了させる。

11:30、宮野原と達朗君が登高完了、測量前に昼食を取ることにする。この時、細野と無線交信、新洞探査の追加指示を与える。

12:00、測量開始。スケッチ千葉、コンパス宮野原、メジャー達朗君の体制である。宮野原は初ポケットコンパス操作、達朗君は初測量のため、作業確認を行いながら洞奧へ進む。緩やかに上へ延びる洞穴で、ループ箇所は2ヶ所、小支洞が4本あるのみであった。

16:00、測量完了。再び細野と無線交信、陽のあるうちに露頭確認の追加指示を与える。装備装着後、まず宮野原を降ろし、最終者降下用アンカー打ちを行わせる。続いて達朗君を降ろそうとしたところ、ディッセンダー・ストップでは降りたことがないという。なんでもエイト環のみで練習していたらしい。直前講習を行い、達朗君は緊張しながらも無事降下することが出来た。最後に千葉が降りることにするが、もう2度と来ることもないであろうと残置マイオンをけちってコードテクニックは使わず、洞外アンカーとリングハンガー2本を使ってループさせるような形を取って降りた。

17:00、活動終了。

19:00、地主宅「木古里」にて夕食、武甲温泉にて入泉する。

23:30、解散となった。


今活動により「仏穴第1洞」は総延長76.0m、高低差17.4mであることが判明した。これで1980年に明治大学地底研究部によって行われた9洞の再測量が完了し、いずれも高低差が判明、新たに縦断面図を作成することが出来た。
立処山・叶山麓の洞穴は現在32洞確認、19洞測量済み。(文責 千葉伸幸)
仏穴第1洞 仏岩 仏穴第1洞
+5m地点に開口する仏穴第1洞 人工登攀での洞口アプローチ ポケコンを読む宮野原

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