ヘッドランプ

ケイビングの"必需品"。
照明器具がなければ、暗黒世界では全く身動きがとれなくなります。
洞内が広く、高低差の少ない横穴ではハンドライトでも可能ですが、狭洞通過や落差を乗り越えたりすることを考慮すればヘッドランプが適しています。
購入の際は、防水性、電球の明るさ、電圧の高さ、リフレクター(反射鏡)の大きさで選ぶのがコツです。

球には以下の種類があります(射距離は目安)。
種 類
内 容
照射距離
探見球(真空球・ニップル球) 電球内が真空 30m
クリプトン球 電球内にクリプトンガスを封入 50m
キセノン球 電球内にキセノンガスを封入 60m
ハロゲン球 電球内に不活性ガスとハロゲン物質を微量封入 100m
LED(Light Emitting Diode) 発光ダイオード 20m

同電圧の場合、明るさは探見球 < クリプトン球 < キセノン球 < ハロゲン球で、消費電力に比例します。
LEDは消費電力が少ないという長所がありますが、照射距離は非常に短いです。

また、電池の継続性はマンガン電池 < アルカリ電池 < リチウム電池となり、低温環境下では電圧降下の発生しにくいリチウム電池が適しています。
オキシライド電池はパワフルで多電流が流れるため照度は明るくなりますが、豆球寿命が短くなる場合や豆球取付部が高温になり変形するおそれがあるため、使用しない方が良いです。

バッテリーボックスは、前頭部型(一体型)、後頭部型、別体型とあります。別体型は容量の大きな電池(単1)が入るモデルがあり、また電圧降下を防ぐために懐で暖められるという長所を持つ反面、狭洞通過には障害になるという短所があります。

探見球ヘッドランプ
ナショナル製・BF−186 高照度防滴ヘッドランプ ナショナル製・BF−182B
基本的なヘッドランプです。
照射距離が短いですが、ケイビング入門クラスの横穴洞穴であれば、これで充分です。

PETZL製ズーム(画像上)、ナショナル製BF−186(画像左下)、BF−182B(画像右下)は、共に防滴処理が施されています。

PETZL製ズーム(4.5V)にはズームゾラ(6V)という姉妹品もあり、共にハロゲン球に変更することも可能です(共に廃盤)。

価格:2000〜4800円
購入場所:ICI石井スポーツなどの登山用品店、ODBOXなどのアウトドアショップ、ホームセンターなど。


クリプトン球ヘッドランプ
ナショナル製・BF−181 水中ヘッドランプ
PETZL製・ザクソーアクア
電球内にクリプトンガスを封入してあるヘッドランプです。

ナショナル製BF−181(画像上)、PETZL製ザクソーアクア(画像下)は、共に防水処理が施されています。

PETZL製ザクソーアクアは独立してハンドライトとして活用できます。また、姉妹品としてザクソー(非防水・探見球)もありますが、共にハロゲン球に変更することも可能です。

価格:3500〜3800円
購入場所:ICI石井スポーツカモシカスポーツなどの登山用品店、ODBOXモンベルなどのアウトドアショップ、ホームセンターなど。


キセノン球ヘッドランプ
PETZL製・ミオ
PELICAN製・ヘッドアップライト
電球内にキセノンガスを封入してあるヘッドランプです。

PETZL製ミオ(画像上)はPETZLヘッドランプの中で最も新しいモデルで、姉妹品としてLEDハイブリッド型であるミオ3、ミオ5、ミオベルト3、ミオベルト5があります(現在はブラックモデルへ統一)。

PELICAN製ヘッドアップライト(画像下)は防水処理が施されています。衝撃に強い反面、見た感じの通り重いです。

価格:4200〜6300円
購入場所:ICI石井スポーツカモシカスポーツなどの登山用品店、ODBOXさかいやスポーツなどのアウトドアショップなど。


ハロゲン球ヘッドランプ
SPELEO TECHNICS製・FX2
PRINCETON TECH製・ソロヘッドランプ BLACK DIAMOND製・ルナ
電球内に不活性ガスとハロゲン物質(塩素・臭素など)を微量封入してあるヘッドランプです。

SPELEO TECHNICS製FX2(画像上)は充電式ヘッドランプで、他にもモデルが数多くあります。
PRINCETON TECHPRINCETON TECH製ソロヘッドランプ(画像左下)、BLACK DIAMOND製ルナ(画像右下)は共に単3電池モデルで、バッテリー寿命が比較的短いのが難点です。

価格:2600〜5600円、200USドル
購入場所:ICI石井スポーツカモシカスポーツなどの登山用品店、ODBOXモンベルなどのアウトドアショップなど。IMO(米)などで輸入可能。


LEDヘッドランプ
 LINTING SYSTEMS製・Spe−Lu
TECH TONIQUE製・LEDランプ
急速に市場拡大となったLEDヘッドランプです。

PETZL製ティカ、BLACK DIAMOND製ムーンライト、PRINCETON TECH製オーロラなど、2〜4個モデルが多種ありますが、照射距離が短いこともあって洞内におけるメインヘッドランプには適していません。

LUPINE LINTING SYSTEMS製Spe−Lu(画像上)は26個、TECH TONIQUE製LEDランプ(画像下)は20個のLEDからなります。

価格:300USドル
購入場所:EXPE(仏)、IMO(米)などで輸入可能。

これらの多LEDモデルはヘッドランプとしては割高なので、現段階では自作することをオススメします。LED1球=約200円です。

ハイブリット型ヘッドランプ
PETZL製・ディオLED8
BLACK DIAMOND製・スーパーノバ PETZL製・ミオ5
2種類の光源を持つヘッドランプです。LED普及にともない、各社から+LEDモデルが発売されています。

PETZL製デュオシリーズには、ハロゲン+ミニチュア球のデュオ、デュオベルト、デュオATEX、ハロゲン+LEDのデュオLED3、デュオLED5、デュオLED8(画像上)、デュオLED5ベルト、デュオLED8ベルトがあり、全て防水性です。

BLACK DIAMOND製スーパーノバ(画像左下)は、キセノン球+LEDモデルです。

PETZL製ミオ3(画像右下)、ミオ5は共にバッテリーボックス別体型もあり、キセノン球+LEDモデルです。

価格:4200〜13000円、145ユーロ
購入場所:ICI石井スポーツカモシカスポーツなどの登山用品店、ODBOXモンベルなどのアウトドアショップなど。EXPE(仏)などで輸入可能。


カーバイドランプ
PETZL製・アセト
PETZL製・アリアン ALP製・カーバイドジェネレーター MEANDER製・ALUSTAR MTDE製・カーバイドジェネレーター
カルシウムカーバイド(炭化カルシウム:CaC2)に水を反応させてアセチレンガスを発生、それを燃やして照明とするランプです。
遠方を照らすことには不向きですが、全体的に明るく照らすことができ、ホール測量時にも適しています。

ランプ本体とジェネレーター(カーバイド容器)の一体型、分離型があります。分離型はランプ本体をヘルメットに着用し、ジェネレーターとホースで接続します。昔ながらのハンドタイプもありますが、洞内活動には適していません。

PETZL製アセト(画像上)は分離型ランプ本体で、着火装置、ノズル2種、ノズル清掃ワイヤーが付いています。
ジェネレーターはPETZL製(画像左)、ALP DESINGN製(画像中左)、MEANDER製(画像中右)、MTDE製(画像右)など、各社から発売されています。

なお、カルシウムカーバイドは使用・未使用に関わらず、洞内に残置すると環境破壊を引き起こすために厳禁です。

カーバイドランプ価格:7200円
ジェネレーター価格:7900円、48〜65USドル
購入場所:ICI石井スポーツカモシカスポーツなどの登山用品店にて取り寄せ、EXPE(仏)、IMO(米)などで輸入可能。


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