八つ墓村
英 題 VILLAGE OF THE EIGHT TOMBS
制作年 1977(昭和52)年
製作会社 松竹
時 間 151分
監 督 野村芳太郎(娯楽作品から社会派推理作品まで幅広く手がける)
出 演 八つ墓村ポスター
金田一耕助 渥美清
寺田辰弥 萩原健一
磯川警部 花沢徳衛
多治見要蔵 山崎 努(二役)
多治見久弥 山崎 努(二役)
多治見春代 山本陽子
多治見小竹 市原悦子
多治見小梅 山口仁奈子
森 荘吉 浜村 純
森美也子 小川真由美
久野医師 藤岡琢也
井川鶴子 中野良子
井川丑松 加藤 嘉
井川勘治 井川比佐志
亀井陽一 風間杜夫
濃茶の尼 任田順好
片岡吉蔵 山谷初男
諏訪弁護士 大滝秀治
工藤校長 下條正己
新井巡査 下條アトム
多治見庄左衛門 橋爪 功
尼子義孝 夏八木 勲
落武者 田中邦衛
販売元 松竹株式会社
備 考 八つ墓村DVD2度目のリメイク映画作品。
2年3ヶ月にも及ぶ製作期間、製作費7億円、岩手から鹿児島までの洞窟ロケという超大作。
日本アカデミー賞音楽賞受賞。

1977(昭和52)年が舞台。

八つ墓村映画の最高峰。
当時のオカルトブームに乗って、ホラー映画といっても良いほどおどろおどろしく完成している。
また、後半は主人公が洞内探索や鬼ごっこをしてくれるので、洞内をたっぷり楽しむことが出来る。

地R元推奨映画。
洞 窟 岡山県指定天然記念物「川上洞」

所在地は岡山県阿哲郡ミタ村川上。
鳥取県境・明地峠の眼下にある岡山県新見市千屋花見とも考えられるが、周辺風景から現在の岡山県高梁市成羽町吹屋(旧:川上郡成羽町大字吹屋)と推測される。

非常に複雑な洞窟で、洞口は以下の4ヶ所がある。
@信仰洞化しているメイン洞口
A多治見家の蔵内
B八つ墓明神の脇
C黒川谷

洞内は「猿の腰掛」「木霊の辻」など随所に名称が付けられており、「鬼火の淵」のリムストーンプール、「龍の顎(あぎと)」の二次生成物は見事である。
また、落差29mの洞内滝は圧巻。

現地案内板には「川上洞は大理石の中にできた鍾乳洞である。又日本一〇〇見事な蛇行洞穴でその上地上の川の蛇行と違って部分的にに小さい蛇行をしながら洞〇全体が大きな蛇行をしている二重蛇行である。」と説明されており、「滝観洞」に似た雰囲気があるが、平面図からは蛇行が読み取れない。

作品内では2種類の平面概念図が発表されている。
登場時間 56分後に登場。
ロケ地 エンドクレジットには、撮影協力として「満奇洞」「秋芳洞」「景清洞」「大正洞」「滝観洞」「龍河洞」「水蓮洞(水連洞)」「昇龍洞(昇竜洞)」の8洞が載っているが、他でも撮影されている。


兼清洞(山口県美祢市)
秋吉台にある総延長350mの横穴で、非観光洞。2009年現在、周辺共に変化していない。

川上洞のメイン洞口として撮影された。


撮影協力としてエンドクレジットには載っておらず、情報を求めていましたが、2005年に山口大学洞穴研究会より情報入手、同年確認に至りました。ありがとうございました。


滝観洞(岩手県気仙郡住田町)
洞内滝と天井が高いメアンダートレンチが見所の観光洞。総延長は4842.4m+。

辰也と春代が鎧武者(=多治見要蔵の亡骸)を発見するシーン、洞内探索する辰弥と美也子が洞内滝「天の岩戸の滝」を見上げるシーン、蔵から奥へ続く割れ目状で天井の高い通路が撮影された。撮影日は1977年5月21〜24日。

洞内には撮影にまつわる脚本付き説明版がある。


龍河洞(高知県香美市)
遺跡「神の壺」が見所の観光洞。総延長は2300m。国指定天然記念物。

二次生成物が発達する場所のシーンが撮影されたと推測される。


満奇洞(岡山県新見市)
阿哲台にある与謝野鉄幹・晶子の歌によって命名された観光洞。総延長450m。岡山県指定天然記念物。

リムストーンプール「千枚田」で小梅が殺害されているシーン、「あみだ石」で「猿の腰掛」のシーン、石柱「大黒柱」付近で駆け回るシーンが撮影された。
小梅殺害現場シーンは、「千枚田」で最も大きなプールにエメラルドグリーンの水をためて撮影した模様である。よく見れば、観光通路も確認できる。
撮影は集中してリムストーンプール周辺で行われたことになる。

現地には撮影にまつわる色紙や写真がある。


秋芳洞(山口県美祢市)
秋吉台にある国内で最も有名な観光洞。総延長11000m+。国指定特別天然記念物。

須弥山への非観光部(画像上)や水流部「長淵」(画像下)で、洞内探索する辰弥と美也子が水流を渡るシーンなどが撮影された。

洞窟ではないが、落武者が集落を見下ろす高台として秋吉台が使用されている。


2020年に村上崇史氏@山口ケイビングクラブに情報を頂きました。ありがとうございました。



景清洞(山口県美祢市)
秋吉台にある平家伝説が残る観光洞。総延長1745m+。国指定天然記念物。

ボックスワーク「かすり天井」付近の水流において、辰也が小梅を捜すシーンや鬼女化した美也子が辰弥を追いかけるシーンが撮影された。


大正洞(山口県美祢市)
秋吉台にある溶食形態が美しく、複雑な形態の観光洞。総延長3317.7m+。国指定天然記念物。

小滝「音羽の滝」で滴下水音が収録された。
また、天井部におけるコウモリ・コロニーのシーンも撮影されたと推測される。
なお、鎧武者が安置されている「猿の腰掛」と同名の「さるのこしかけ」と呼ばれる二次生成物がある。

現地には撮影にまつわる説明版がある。


水連洞(鹿児島県大島郡知名町 沖永良部島)
リムストーンダムが連なる旧観光洞。総延長1402m+。

辰弥と美也子が洞内探索するシーンが撮影されたと推測される。


昇竜洞(鹿児島県大島郡知名町 沖永良部島)
沖永良部島内唯一の観光名所ともいえる観光洞。鹿児島県指定天然記念物。

上流側洞口付近やカルサイト結晶が瞬くフローストーン周辺にて、辰弥と美也子が洞内探索するシーンが撮影された。
琉球石灰岩が特徴的なので、ケイバーならすぐ判明するが、水連洞との違いは判別するのは難しい。


なお、作品内では兼清洞(洞口)→秋芳洞→滝観洞→満奇洞→滝観洞→昇竜洞という順番で洞奥へ向かうことが出来るようである。

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