ランキングの基準

1.はじめに
 これまで大洞窟に関する全国的リストの刊行物としては、「愛媛大学洞穴研究グループ, 1972. 全国洞穴所在地一覧」「中川寛一・洞窟学研究会, 1979. 日本の大洞窟」「神谷夏美・水島明夫, 1987. 日本の大洞窟」「水島明夫, 1996. 日本の大洞窟」などがある。しかし、最終リストから14年もの月日が流れ、その間には各地で新洞や新洞部が次々と発見、また測量精度をあげた再調査がなされてきた。
 大洞窟リストを作成する上では、基準をどのようにするかが一番問題である。例えば、測量図や測量数値の公表の有無、測量精度、斜距離と水平距離の分類など、様々な基準が考えられ、その基準によってリストが大きく変わってしまう。そこで下記に示す基準により、国内洞穴ランキングとして総延長1,000m以上・高低差100m以上の洞穴を公開する。
 なお、ランキングリスト作成者は日本洞窟学会会員であり、より信頼性の高いものを目指しているが、日本洞窟学会公式ランキングではありませんのでご了承ください。

2.対象洞穴
 「日本の大洞窟(1987)」を基本とし、報告書、論文、ケイビングジャーナルなどによって発表された総延長1,000m以上、または高低差100m以上の洞窟を掲載。ウェブサイトや私信も信頼がおけると判断したものは掲載した。
 測量精度、日本洞窟学会への報告の有無、母岩の種類は問わない。
 未確定洞穴を除き、口コミのみの暫定情報は除外した。

3.リスト説明
過去10年間に順位が上昇したものには↑で表現した。現時点での過去10年間とは2010〜2020年である。
順 位 規模の大きいものから順位付けをし、同規模に関しては同順位とした。
洞穴名 最も一般的な名称を表記し、観光開発されている洞穴に関しては「氷渡(しがわたり)洞−坪沢穴」「空穴第2洞」「マリヤイーザー」「千仏−芳ヶ谷洞」などケイビング界では一般的な名称でも、「氷渡(すがわたり)探検洞」「白蓮洞」「石垣島鍾乳洞」「千仏鍾乳洞」といったように観光洞名を優先、併記した。
別称も周知されている場合は()内に表記した。
複数の洞窟が連結している場合は−で表記した。
所在地 洞口のある市町村名を表記した。洞口が複数の自治体に開口している場合は、メイン洞口がある自治体名とした。
総延長 発表された数値は検討せずにそのまま使用、水平距離と測線延長距離の2通りがある場合は後者を優先とした。
小数点第2位は切捨てとした。
+の表記は○○以上と報告されているもの、または未測量部分が残されててるため今後数値が延びる可能性があるという意味である。
..の表記は意味はない。
高低差 同上。
出典先 数値の根拠となった報告書やホームページなどの出典先を発行年と共に簡略表記した。別欄に書名、発行年、発行者を表記した。
備 考 観光洞、入洞禁止、調査中など現在の状態を表記した。火山洞と表記されていないものは、すべて石灰洞である。
未確定洞穴 今後の調査によっては1,000mを越える可能性があるものを表記した。

4.引用規定
 報告書・冊子などに対する引用は基本的にフリーですが、必ず引用先として「地底旅団ROVER元老院webサイト http://cavers-rover.skr.jp/」、情報年月日(各項目の横にあります)を記載してください。
 また、その旨をご一報していただければ助かります。

5.情報提供のお願い 
 最新情報がありましたら地R元事務局までご一報下さい。

文 献
 愛媛大学洞穴研究グループ(1972):全国洞穴所在地一覧.洞穴学草稿,75−122.
 中川寛一・洞窟学研究会(1979):日本の大洞窟.山口ケイビングクラブ会報,15,3−10.山口ケイビングクラブ.
 神谷夏実・水島明夫(1987):日本の大洞窟.80pp.日本ケイビング協会.
 水島明夫(1996):日本の大洞窟.ケイビングジャーナル,1,30−32.日本洞窟学会.
 水島明夫(1996):日本の火山洞窟.ケイビングジャーナル,2,13.ケイビングジャーナル.
 千葉伸幸(2010):私見・日本の大洞窟リスト.ケイビングジャーナル,39,24−27.日本洞窟学会.


2004-2020 Copyright(C) 地底旅団ROVER元老院
cavers_rover_in_tokyo@yahoo.co.jp