奥多野かんな姫計劃 (Project Kanna-Hime in Okutano)

2.奥多野地方の概要

奥多野地方とは群馬県南西部に位置し、上野村、神流町(2003年4月1日、中里村・万場町合併により誕生)、旧:鬼石町(2006年1月1日、藤岡市に吸収合併)の1町1村1地区からなる地域である。
地質上では関東山地の秩父帯に所属、淡緑色珪質岩、チャートを主とする地層であるが、大小さまざまな石灰岩分布が見られ、フズリナ、サンゴ、コノドントなどの化石を含んでいる。また、チャートやチャート質砂岩および石灰岩の互層がみられることもある。

@上野村
石灰岩帯は神流川野栗沢中流域左岸から天望山南東まで、N60〜80W方向に小規模なものが点在している。この中には「不二洞(観光洞・県指定天然記念物)」「生犬穴(国指定天然記念物)」が含まれている。
また、神流川大蛇倉沢流域にも石灰岩帯が確認されている。

削られていく叶山A神流町(旧:中里村・旧:万場町)
本地域で最も大規模な石灰岩帯が、叶山及び立処山の石灰山である。
叶山は1984年より石灰岩採掘が行われており、現在は秩父太平洋セメント株式会社が操業、年々姿を変えている。
立処山は「立処鍾乳洞」「ちゃんから穴」を有し、前者は1837年に朝倉良次と小林伊常らによって探検がなされたという江戸時代の記録が残っている(朝倉良次、1837)。1950年代には両洞共に里人の遊び場として親しまれていた。
この両山の間を流れる間物沢川右岸に位置する仏岩にも、総延長2〜80mの洞穴が複数確認されている。
また、持倉地区と神流川流域の南北にも小規模な石灰岩分布が点在する。

B旧:鬼石町
小規模な石灰岩帯のみが存在し、「露久保鍾乳洞」が報告されている。

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